目玉焼きの話

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バターロール、目玉焼き、牛乳。ここ1年間ほぼ不動の朝食メニュー。
その日の気分によって、牛乳がカフェオレになったり冬にはホットミルクになったりする。
弱火でじんわりと温めたフライパンに卵を落とし、蓋をしたらさらに火を弱めて7分。僕の作る目玉焼きは我ながら見事だ。玉子は強火で急激に熱せられると強く凝固してぼそぼそになってしまう。ゆっくりと時間をかけてあたためられた目玉焼きは、白身もふんわり、半熟に仕上がった黄身の舌触りにはこくとなめらさが感じられ、これだけで贅沢な一皿の料理になる。
焼き上がるのを待っている間に、顔を洗い新聞を取りに行く。朝の忙しい時間、目玉焼きに7分もの時間をかけるというのはもったいないと思われるかも知れないけれど、僕にとってはもはや朝におけるひとつの儀式みたいなものだ。玉子を割る瞬間の微妙な緊張感。殻の固さもおいしさをはかるひとつの尺度。しっかりと厚い殻を持つ玉子は安心だ。軽く叩いただけでぐしゃっとつぶれるように割れる玉子はあまり信用できない。
7分後。フライパンの蓋を持ち上げて、薄いピンク色の艶やかな膜が黄身をそっと覆っているのを確認する。オーケー、今日もきっといい1日。