旧友

学生時代の友人たちと数年ぶりに集まって一晩中バカ騒ぎ。
気心知れた友人たちとのたわいのない会話。久しく忘れていた感覚の中に身を置いて、変わらないものもあるのだと安心した。本当にリラックスして誰にも気兼ねなく自分の言葉を口にするという行為自体が、いつ以来のことかほとんど分からないくらいで、自分が実はこの場所を必要としていたことを確認した。
他のメンバーは時々集まっていたみたいなのだけど、僕は自分から連絡をとることがまずなかったし、少し前までは自分から連絡をとれる精神状態でもなかったので、仲間たちは風の噂で断片的に流れてくるわずかな情報から、僕のことを心配してくれていたらしい。

正直に言うと、僕はある時期、この学生時代から続くぬるま湯のような関わりに少し嫌悪感を持っていたこともあって、自分から意識的に遠ざかっていた部分があった。でも、今こうして旧友と再会して酒を酌み交わしてみると、なんだ、ちゃんと自分の居場所はここにあるじゃないかと安心することができたし、また同じように会って同じようなバカ話をしてみたいと思う自分に気が付いた。
長い間、自分には友達がいないような感覚でいたけれど、本当はそうじゃない。僕は必要な友達を自ら遠ざけていたんだ。もちろん、ネット上で親しくしてくれる友人もいるけれど、目に見える場所で、息づかいの感じられる言葉を古い友人たちと交わす、このことがどれだけ自分に活力を与えてくれるものであるかを、恥ずかしいことに、僕は今回初めて知った。
自分を取り巻く環境がどんなに変わったとしても、こいつらとは一生友人でいられると思う。お互いにパワーを送りあえる関係でいられたらいい。