人生の転機と体調のよさ

僕は今、人生の転機にいる。ここ数ヶ月が勝負になると思う。そのことを自覚しているせいか、神経が研ぎ澄まされていることを感じる。最近、他人の無神経な失敗がやけに気になるのはたぶんそのためだろう。
おかしなことに、というと変なのだけれど、ここのところずっと体調がいい。毎年、年の初め頃には必ず風邪を引いて体調を崩すのだけれど、この前の冬は一度も風邪を引かなかったし、1年に一度はやってくる絶望的にひどい偏頭痛が今年はまだやってこない。
体調がいいというのは言うまでもなく素晴らしいことで、気分もいいし、頭も切れる。日々多数発生する業務判断は瞬時にかつ間違いなく行われ、膨大な業務量にもかかわらずスムーズに流れる。大きな声を上げなくても自分の静かな主張は受け入れられ、お互いが納得できる地点に着地することができる。毎日は単なる繰り返しではなく、少しずつよくなっていく。
でも、こんな気分のいい日々がいつまでも続くわけがないということを僕は知っている。明日体調を壊すかもしれないし、強烈な偏頭痛はあさってやってくるかも知れない。致命的な判断ミスによる重クレームで週末の夜中に叩き起こされない保証はない。奢らないように、先走らないように、慎重に、冷静に。
ただ、どんなに仕事ができたとしても、下っ端は駄目だ。会社組織の中にいて、自分の信じる方向に物事を進めたいと思ったら、偉くならないと駄目だ。その意味で、僕は偉くなりたい。
会社といえば、5月から会社が変わった。あるところから声がかかって、5年勤めた会社を去ることをあっさり決めた。いろんな引き継ぎもスムーズに進んだ。今のところ身分的には契約社員だから、サラリーマン的な安心感はないけれど、3カ月後には正社員として採用される見通しになっている。それが自分にとっていいことかどうかは現時点では分からないけれど、待遇は今までより若干よくなる。前の会社が悪すぎたということもあるけども。
そんな中、今度は別の会社からお誘いがかかっている。ミッションも待遇も具体的な話はまだ聞いていないので、今は判断できる材料がない。でも、ばたばたと自分の周りの動きが慌ただしくなっていることは確かで、しかもそんな話が立て続けにやってくる時期というのが人生にそう何度もあるわけではないことくらいは僕にも分かる。
そんな程良い緊張が自分の体調を引き締めているのかどうなのか。よく、研いだ刃物は折れやすいといわれる。あまり張りつめないように、自然体で。自分の動きたいように。自分の声で、自分の足で。
そんなわけで、今僕は割と順調に生活している。時々たまらなく孤独感に襲われるという問題を除けば。