「Baiduライブラリ」がヤバイ

中国の検索エンジン大手「百度(Baidu)」が運営する「Baiduライブラリ」がとんでもないことになっている。著作権の概念が完全に取り払われて、漫画や小説などの著作物がPDFやテキスト形式で、誰でも自由にアップロード可能な状況になっている。そして、実際に大量のデータがアップロードされている。
いわゆる検索エンジン的なカテゴリによる分類がなされた上で、様々なジャンルの小説・漫画・雑誌など、なんでもありの無法地帯となっている状況。たとえば、「小説一般」では海道尊氏の「ジェネラルルージュの凱旋」他多数の小説が無料で読めるし、「漫画・コミック」カテゴリでは「ジパング」や「ゴルゴ13」といった漫画が無料で閲覧できる。「雑誌」カテゴリでは「ダイヤモンド」や「Newsweek」が以下略。
ポイント制が導入されており、ファイルをアップロードするには、「Baiduパスポート」のアカウント(登録無料)が必要。TOP100ユーザーのランキングが公開されており、上位ユーザのアップロード数とダウンロード数まで載っている。閲覧のみであればポイントは不要。
「ご意見・ご要望などございましたら、サービスに関するお問い合わせ窓口よりお寄せください」という案内が白々しい。なんだこれー。
講談社が早速、「日本の出版界全体に対する暴挙」「断固として削除を求め、改善されない場合は、法的措置も検討せざるを得ません」との声明を出したとのこと。(だが、2011年2月3日現在、公式サイトでは掲載を確認できなかった。)
このサイトがいつ開始されたか未確認だが、2011年2月1日頃に正式公開されたものと推察される。日本人の感覚ではどう見ても著作権侵害で、誰もこんなサービスを開始しようと思わないところだが、会社として堂々とサービスをリリースするあたり、中国ってデッカイ国だなあと絶句する。
このサイト、2月1日のオープンと同時にすごい物議を醸し出しているけれど、今後もサービスを継続するのだろうか。罪の意識がなさそうなので自ら手を引くことがなさそう。いっそここで話題になることで名前が売れれば知名度が上がるのでよいくらいに思っているのかも。しばらくウォッチします。