今日のどうでもいいこと

早く目が覚めたら映画を観に行こうと決めていた。「ハウルの動く城」は吉祥寺で朝8時半からの上映。それが終わったらバウスシアターで「誰も知らない」を観よう。映画を1日に2本続けてみるのはやったことがない。ちょっとしたイベント気分でわくわく。休日に映画を見に行くときは、一番早い回と決めている。余計な混雑がないし、観客のマナーもよいような気がする。それに何より、1日を長く使えるのがいい。
さて、吉祥寺。駅前の映画館に行ってみると、あろうことか、既に満席で立ち見になるという。2時間も経ったまま映画を観る気にはなれない。どうしたものか、しばし呆然と立ち尽くす。朝8時過ぎの吉祥寺。開いているのはコーヒーショップとインターネットカフェくらいのものだ。EXCELSIOR CAFFE に入ってメープルラテを注文し、持ってきた文庫本で時間をつぶすことにする。
いろんな物事にはタイミングがある。たぶん僕は「ハウルの動く城」を少なくとも映画館では観ないだろうなと思う。

僕は自由だ。どこにでも行くことができるし、何をしても咎める人はいない。でもどこか不安であり不安定だ。どこにでも行けるつもりになっているけれど、ひとりで辿り着ける場所は実は限られているのではないか?人とともに生きることは、ある種の不自由は確かに存在するけれど、安定と安心を得られるかも知れない。人と一緒に過ごすことが必ずしも安心や安定ではないけれど、ひとりよりふたりの方がもっと遠くまで行けるかも知れないし、脇道に入ったところにある素敵なカフェを見付けられるかも知れない。ぐるぐると頭の中でどうでもいいことが巡り流れているのを漠然と眺めながら、それでもいつも結論は変わらない。つまり、なるようにしかならないってこと。出会えるときには出会えるし、出会えないときには出会えない。出会っていても気付かなければ始まらない。僕は、ここにいる。

僕は今の仕事が好きだ。休み明けの朝はどこかで自分の身体にスイッチが入るのを感じる。目覚める瞬間のときもあれば職場へ向かうエレベーターの中のこともあるし、会社のパソコンの電源を入れるときのこともある。いずれにしても、僕の身体を流れる血液は休日のそれよりも確実に速く流れており、頭の中はクリアで、どこかに余裕を残しつつ、最適解を常に計算している。自分が何をなすべきかを知っている。存在意義を感じられる職場にいられるというのは幸せなことだ。

今日コーヒーショップで考えたどうでもいいことたち。