Xperia Ear Duo評価レビュー

Xperia Ear Duoを購入して数ヶ月利用しましたのでレビューします。

感想

Xperia Ear Duoは、日常生活に革命をもたらす感動的なガジェット。テーマは「シームレス」。
これまで、イヤホンの使い方として、音楽を聞く時に装着する、聞いていないときは外しておくという使い方が当然に一般的だった。このXperia Ear Duoの登場によって、「装着したまま生活する」のが前提という使い方に変わる。
これにより、音楽を聞きたい時に「わざわざイヤホンを装着する」という行為の手間がなくなる。電車内、オフィス、カフェ等、音を出すのが憚れる環境で音楽を聞いたり動画を見たりしたいシーンは多い。その場合に、イヤホンを準備する手間が煩わしく、音楽を流さない、動画を見ないという選択をすることが多かった。これまであまり意識していなかったが、このやりたい動作をしないということが意外とストレスであることを、このイヤホンの登場によって初めて認識した。
日常的に装着していることが前提なので、音楽を聞いたり動画を見たりという行為に制限がなくなる。いつでも必要なシーンで音楽を流したり、動画を見たり、radikoを聞いたりといったことができる。LINEが届けばスマホを見ずにその内容を確認できるし、その場で返信もできる。
これは生活を変える。
カナル式でなく周囲の音を妨げないので、人と話したり会議中も特に外す必要性を感じない。音漏れもほとんどなくて、電車内での利用で周囲に迷惑をかけることもなさそう。
英語の勉強にも効果的。これまで、リスニングの練習をしたい時には、イヤホンを装着する手間があり、その行為の煩わしさが学習のハードルを高くしていた側面が意外にあったと思う。たとえば、混み合った電車内でわざわざイヤホンを鞄から取り出すことを考えると、取り出す行為そのものが周囲に迷惑をかけてしまうのでためらわれる場面があったが、「装着したまま生活」が前提だから、その手間や煩わしさがない
音楽アプリLINE MUSICとの親和性も高い。これまで、たとえば従来型のWalkmanで音楽を聞きたいときは、CDをPCに取り込み、機器に転送する必要があったが、スマホから直接聞くことができるので手間がない。この流れもイヤホン装着の手間がないという点で、シームレスに音楽を楽しむことができる。

初期設定

  • 充電器だけで本体がない!と思ったら充電器がケースになっていて、その中に入っていたw
  • 初期設定に結構手間取る。難しくはないが、同意すべき事項や自宅と会社の場所の設定など、小1時間くらいかかった印象。自宅と会社の住所登録はしなくても使えるが、設定しておくと、自宅から出発すれば「いってらっしゃい」、夜会社から出れば「お疲れさまでした」等のアナウンスが流れる。

操作

  • 音量の調節に慣れるまで結構時間がかかった。最初のうちは、音量を上げたり下げるつもりでタップと誤認識されることが多かった。気に入っている曲が流れて音量を上げようとしたときに誤認識で別の動作になるのは強いストレス。音量の上下も首振り機能か何らかのアクションで解決できてほしい。音量調節は、軽く長押ししてから上げたり下げたりするとよい感じ。
  • シングルタップとダブルタップの違いが認識されず、次の曲を再生したいのに停止すること多数。(これは首振り機能で解決できるが、電車内で何度も首振りするのは不審なので使いにくい。)
  • 誤認識したときに、そのコマンドをキャンセルする仕組みがあるとよい。(音量を変えようとしてタップと認識された場合など。アシスタントの起動は待っていればキャンセルされるが、それまで再生していた音楽等が止まってしまうのが不満。)
  • LINE MUSICでの音楽再生が可能だが、本体や声でストップできない(停止はできるが、アプリを止める方法がない)ため、スマホでアプリを落とす処理が必要。声や左耳・右耳の本体で音楽を止められないとスマートじゃない。
  • 町中で声を出すことに少し抵抗がある。

音声認識

  • Clovaの音声認識は、満足とは言えないレベル。友だちにLINEを送信するには事前に呼び名を設定する必要があり、それはよいのだが、家族にメッセージ送信を試みたところ、何十回試しても名前が認識されない。諦めて呼び名を「ヨメ」に設定したら認識された。試したのは街中。オフィスを出て帰宅するタイミングが最も利用頻度が高いので、逆にここで使えないと音声認識の意味があまりない。
  • メッセージ内容の音声認識力はそこそこ。「会社を出ました。これから帰ります。」とか「ご飯食べて帰ります」といった内容ならほぼ大丈夫。
  • 大体毎回3回ほどメッセージ内容の確認でやり直しの必要が生じている。以下は誤認識の一例。
    メッセージ内容をどうぞ→
    (○)「今帰ってます」 (×)「待ってます」
    (○)「府中駅」 (×)宇宙人
  • 音声での指示は外にいるときに利用することが多いので、町中のノイズが発生する場面でも高い認識精度が必要。(電車内やオフィスで音声でのメッセージ送信はできない。)
  • 実際に使ってみて、音声でメッセージを送信するシーンはあまり多くないかも。送信までのステップが多いので、立ち止まって打ったほうが早いし、街中で一人で声を出しながら歩くことにも抵抗がある。

案内音声

Xperia Ear Duoのアシスタントの案内音声は情緒的で好印象。正直、Clovaより圧倒的によい。ユーザーに寄り添ってくれている感じがすごくある。Clovaの案内音声は平坦というか、いかにもAIっぽくて、あまり感情がなさそう。

音質・通信等

音飛びはほとんどなく満足。Bluetoothとは思えないレベル。
ただし、新宿駅前など、混雑した場所で音飛びが発生することがある。電車の中では特に音飛びを感じたことはない。
左側のイヤホンだけ音が出なくなることがまれにある。一旦止めたり、別のアクションをしたりしていると元に戻る。最初は充電切れかと思ったが、そうでもない模様。
音量が全体的に控えめ。音楽を流すだけなら十分だが、街中を歩いていて英語のリスニングやニュースを聞くといった使い方をする場合に、音量を最大にしても聞き取りづらいケースがあった。最大音量をもっと上げられるようにしてほしい。

電源・充電

3回充電できるケースは満足。ケース自体は軽いし、さほど場所を取らない。
端末側に電源ON/OFFという概念がなく、ケースに入れたらオフになるとのことなので、外出時は原則としてケースも常に携帯する必要がある。

装着感など

装着に慣れるまでに2,3日かかったものの、慣れれば問題ない。長時間装着していても疲れはほとんど感じない。ほぼ1日中装着していても問題なかった。耳たぶの下側に装着するので、購入前は使用中に取れないか心配したけれど、その心配は杞憂だった。多少激しく動いても取れないし、意外な安定感がある。

結論

総じて好印象で、AIへの音声指示を使わないとしても、Blutoothイヤホンとしてだけでも買う価値があります。満足。