我が愛しのステーキ


ステーキ。この言葉が持つ魅惑的なイメージは、脳内を一瞬で埋め尽くす。そして、ステーキが実際に目の前に出現したときの興奮と存在感は圧倒的で、もはやどんな言葉も意味をなさず、いかなる表現も色褪せ、説得力をなくす。それほどに爆発力のある料理、それがステーキ。今日は幸運ないただきものとして、牛肉が我が家にやってきました。
焼く直前に軽く塩胡椒。フライパンを強火で熱して牛脂を放り込む。よく溶かしてフライパンから煙が上がったら牛肉をうやうやしく寝かせ、ジュウジュウいう景気のいい音を目と耳で感じながら、片面を一気に焼き上げる。程よく焼き色がついたら裏返し、中火で約1分。いい肉ほど焼き過ぎないのが大事。焼き上がったら素早く皿に移し、冷めないうちにいただこう。柔らかでありながら確かな食感。噛み締めて口の中に広がる肉汁。肉質のよいステーキは塩胡椒だけで十分なうまさ。肉質、下味、焼き加減、これらが揃えばもう完璧。あとはひたすら喰らい、ステーキの魅力を味わい尽くすがいい。
大胆にして繊細。アメリカ産のダイナミックな肉もよいけれど、国産和牛には日本人ならではの丁寧さと繊細さが味わいに備わっている。うまし。
半分までは勢いで消化。ここでステーキに軽くポン酢を垂らす。するとステーキが生まれ変わる。ジューシーな肉に爽やかな酸味が加わり、新しい境地が開拓される。素敵だ。ああステーキ。
感謝と感激のうちに完食。満足。ごちそうさまでした!