Adobe製品の更新手順がわかりにくい

前の記事でもちょっと言及したけれど書き足りないので改めて。

Adobe Reader 9.1およびAcrobat 9.1ならびにそれ以前のバージョンに脆弱性が存在することが確認され、Adobe社のサイトで公開されたのが2009年5月12日。「Adobe - セキュリティ速報」の最終更新日が2009年5月18日。(→記事リンク
しかしながら、最新版の「9.1.1」は2009年5月26日現在、日本語サイトからはダウンロードできない。上記記事からリンクされているダウンロードサイトは英語版。日本語版のサイトで最新版にアップデートするためには、Adobe Reader のダウンロードサイトから一旦「9.1」版をインストールし、その後 Adobe Reader を起動して、 「ヘルプ」→「アップデートの有無をチェック」を選び、最新版(9.1.1)にアップデートする必要がある。ごく一般的なインターネットユーザには非常に分かりにくく不親切と感じる。

これでは、少なくとも英語に不慣れな利用者は更新を躊躇してしまうだろうし、「ヘルプ」→「アップデートの有無をチェック」という操作も煩雑に感じられる。日本語版サイトの更新はされないのだろうか。(なんとなくこのまま更新するつもりがなさそうに見えるが…)

Adobe Reader はPDF閲覧ツールとして寡占状態にあり、ほとんどのPCにインストールされている。Flash Player にしても同様。このソフトウェアに脆弱性が発見されたときに、利用者が手間をかけずに更新できるような仕組み(つまり自動更新)をAdobe社は検討してほしい。
利用者側の対処が遅れるほど何らかの被害に遭う危険が増すわけで、そのリスクを単に利用者へ転嫁すれば済むという姿勢は容認できない。

Adobe社は脆弱性修正パッチを四半期ごとに定期的に公開する方針を決めたと伝えられているが、それだけでは到底足りない。自動更新をアップデートの基本とする仕組みが求められている。
また、セキュリティ速報が正しく利用者に伝わり、更新への負担が利用者にかからないよう、日本語版サイトの充実が待たれる。