「おいしいコーヒーのいれ方」完結

村山由佳著「ありふれた祈り」読了。

おいしいコーヒーのいれ方」シリーズの最終巻である本作が2020年6月に刊行された。20年以上かけて、19冊に渡って大切に綴られた長編恋愛小説で、長きに渡って追い続けてきた登場人物たちの長い長い物語がようやくひとつの結末を迎え、完結までひとりの読者としてともに時を過ごすことができたことに安堵している。

ひとつ前の「地図のない旅」から最終巻が出るまでに7年。その間、著者が全く毛色の異なる作品をいくつか出していることもあり、もうこのシリーズの新刊はお目にかかれないのかも知れないと半ばあきらめつつ、それでも夏が近くなってくるとそわそわしてしまうのがここ数年続いていた。このシリーズの文庫版は、いつも6月に出るのだ。

ヒロインのかれんは恥ずかしいくらいブレがなく一途だし、主人公の勝利ことショーリはどうしようもないくらい誠実で青臭い。どの登場人物も愛すべきアイデンティティを持っており、最初はライトノベルのような感覚で読み始めたのに、気付いたらハマっていて、どの巻を読んでも泣けてしまう。

小説の中では6年ほどしか経っていないので、自分が重ねた年月に比べて登場人物がさほど歳をとっていないことに今さら驚く。完結してよかった、よかったよ。

「glee/グリー」シーズン2視聴

HuluからNetflixに乗り換えて、「glee/グリー」シーズン2を見終わった。よく海外ドラマにハマるって人の話を聞くけど、確かにこういう素晴らしいのを見ちゃうと、日本のドラマは浅くて安っぽく感じるという意見にも同意してしまうほどの迫力がある。
glee」は高校の合唱部が舞台なだけあって、各回の話中に何曲もパフォーマンスが入っていて、しかもそれらがどれもハイレベル。基本的には同じ楽曲を何度も演奏することがないので、毎回異なるパフォーマンスを楽しめるのがすごい。連続ドラマだから、これ毎週テレビで放映されてたってことだよね。出演者もすごいよほんと。
ドラマの内容もアメリカ社会が直面している様々な課題が織り交ぜられており、それらが絡み合った人間模様が興味深い。単なる高校生の友情や恋愛にとどまらず、人種差別、いじめ、LGBT、妊娠、出産、障害、学校内のヒエラルキー、縄張り争い、飲酒、ドラッグ、都市格差など、1話の中でも展開が早く濃密で飽きない。1話約45分で、各話3回以上は見ている。
アメリカのドラマは脚本家が日本のように1人ではなく、複数人でチームを組んで回していると聞いた。コンテンツ制作体制の違いもあるのだろうな。
このドラマはシーズン6まであって、次はシーズン3。シーズン5の途中で主演の一人がリアルで亡くなったと聞き、ストーリーも途中で変更せざるを得なくなったそう。見る前の今からもう切ない。メインキャストが亡くなったのに次のシーズンをやっちゃうのがすごいけども。

Chromebookが素晴らしい件

Chromebook 14 for workを使い始めて2週間ほど経ちました。素晴らしく便利で使いやすいです。

Chromebook 14 for work

Chromebook 14 for work。

以前から利用していたThinkPad内に保存していたデータはGoogleドライブへ、写真はGoogle Photoへすべて移行して、Google先生に魂を完全に売り渡しましたw

ブラウジングは普通にChromeで、ExcelGoogleスプレッドシートで編集すれば、もはや何の不便もなさそう。印刷設定もwifiが使えるプリンタならほぼ対応している様子。自宅のエプソンは設定可能でした。

家ではもはやそれほど利用頻度がなくなったパソコンといえど、調べものやメールで長い文章を書いたり文書作成などの必要がある場合はやはりスマホタブレットではなくキーボードを備えたパソコンを持っておきたい。でもわざわざ買い換えるにはパソコンて結構高いしなあ。それならChromebookでいいじゃん。これAmazonで38,000円でした。もはやスマホより安い。数秒で起動する早さが素晴らしい。動作も軽くて快適。LINEも使えます。

あ、今見たら4万円になってたw

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01EPZIFQG/

Googleドライブの利用が前提で、ローカルでファイルを保存することを想定していないので、ストレージ容量が16GBしかないけれど、特段の支障はなさそう。むしろ、インターネット環境さえあればどこからでも同じ領域にアクセスできると考えれば利点ですらある。

Chromebookは日本ではまだあまり盛り上がっておらず、購入モデルの選択肢も狭いのが難点。Lenovoから出ているモデルは8万円以上するので、それならWindowsにしようかなとも思えてくるし。

いい買い物したなあ。オススメです。

Xperia Ear Duo評価レビュー

Xperia Ear Duoを購入して数ヶ月利用しましたのでレビューします。

感想

Xperia Ear Duoは、日常生活に革命をもたらす感動的なガジェット。テーマは「シームレス」。
これまで、イヤホンの使い方として、音楽を聞く時に装着する、聞いていないときは外しておくという使い方が当然に一般的だった。このXperia Ear Duoの登場によって、「装着したまま生活する」のが前提という使い方に変わる。
これにより、音楽を聞きたい時に「わざわざイヤホンを装着する」という行為の手間がなくなる。電車内、オフィス、カフェ等、音を出すのが憚れる環境で音楽を聞いたり動画を見たりしたいシーンは多い。その場合に、イヤホンを準備する手間が煩わしく、音楽を流さない、動画を見ないという選択をすることが多かった。これまであまり意識していなかったが、このやりたい動作をしないということが意外とストレスであることを、このイヤホンの登場によって初めて認識した。
日常的に装着していることが前提なので、音楽を聞いたり動画を見たりという行為に制限がなくなる。いつでも必要なシーンで音楽を流したり、動画を見たり、radikoを聞いたりといったことができる。LINEが届けばスマホを見ずにその内容を確認できるし、その場で返信もできる。
これは生活を変える。
カナル式でなく周囲の音を妨げないので、人と話したり会議中も特に外す必要性を感じない。音漏れもほとんどなくて、電車内での利用で周囲に迷惑をかけることもなさそう。
英語の勉強にも効果的。これまで、リスニングの練習をしたい時には、イヤホンを装着する手間があり、その行為の煩わしさが学習のハードルを高くしていた側面が意外にあったと思う。たとえば、混み合った電車内でわざわざイヤホンを鞄から取り出すことを考えると、取り出す行為そのものが周囲に迷惑をかけてしまうのでためらわれる場面があったが、「装着したまま生活」が前提だから、その手間や煩わしさがない
音楽アプリLINE MUSICとの親和性も高い。これまで、たとえば従来型のWalkmanで音楽を聞きたいときは、CDをPCに取り込み、機器に転送する必要があったが、スマホから直接聞くことができるので手間がない。この流れもイヤホン装着の手間がないという点で、シームレスに音楽を楽しむことができる。

初期設定

  • 充電器だけで本体がない!と思ったら充電器がケースになっていて、その中に入っていたw
  • 初期設定に結構手間取る。難しくはないが、同意すべき事項や自宅と会社の場所の設定など、小1時間くらいかかった印象。自宅と会社の住所登録はしなくても使えるが、設定しておくと、自宅から出発すれば「いってらっしゃい」、夜会社から出れば「お疲れさまでした」等のアナウンスが流れる。

操作

  • 音量の調節に慣れるまで結構時間がかかった。最初のうちは、音量を上げたり下げるつもりでタップと誤認識されることが多かった。気に入っている曲が流れて音量を上げようとしたときに誤認識で別の動作になるのは強いストレス。音量の上下も首振り機能か何らかのアクションで解決できてほしい。音量調節は、軽く長押ししてから上げたり下げたりするとよい感じ。
  • シングルタップとダブルタップの違いが認識されず、次の曲を再生したいのに停止すること多数。(これは首振り機能で解決できるが、電車内で何度も首振りするのは不審なので使いにくい。)
  • 誤認識したときに、そのコマンドをキャンセルする仕組みがあるとよい。(音量を変えようとしてタップと認識された場合など。アシスタントの起動は待っていればキャンセルされるが、それまで再生していた音楽等が止まってしまうのが不満。)
  • LINE MUSICでの音楽再生が可能だが、本体や声でストップできない(停止はできるが、アプリを止める方法がない)ため、スマホでアプリを落とす処理が必要。声や左耳・右耳の本体で音楽を止められないとスマートじゃない。
  • 町中で声を出すことに少し抵抗がある。

音声認識

  • Clovaの音声認識は、満足とは言えないレベル。友だちにLINEを送信するには事前に呼び名を設定する必要があり、それはよいのだが、家族にメッセージ送信を試みたところ、何十回試しても名前が認識されない。諦めて呼び名を「ヨメ」に設定したら認識された。試したのは街中。オフィスを出て帰宅するタイミングが最も利用頻度が高いので、逆にここで使えないと音声認識の意味があまりない。
  • メッセージ内容の音声認識力はそこそこ。「会社を出ました。これから帰ります。」とか「ご飯食べて帰ります」といった内容ならほぼ大丈夫。
  • 大体毎回3回ほどメッセージ内容の確認でやり直しの必要が生じている。以下は誤認識の一例。
    メッセージ内容をどうぞ→
    (○)「今帰ってます」 (×)「待ってます」
    (○)「府中駅」 (×)宇宙人
  • 音声での指示は外にいるときに利用することが多いので、町中のノイズが発生する場面でも高い認識精度が必要。(電車内やオフィスで音声でのメッセージ送信はできない。)
  • 実際に使ってみて、音声でメッセージを送信するシーンはあまり多くないかも。送信までのステップが多いので、立ち止まって打ったほうが早いし、街中で一人で声を出しながら歩くことにも抵抗がある。

案内音声

Xperia Ear Duoのアシスタントの案内音声は情緒的で好印象。正直、Clovaより圧倒的によい。ユーザーに寄り添ってくれている感じがすごくある。Clovaの案内音声は平坦というか、いかにもAIっぽくて、あまり感情がなさそう。

音質・通信等

音飛びはほとんどなく満足。Bluetoothとは思えないレベル。
ただし、新宿駅前など、混雑した場所で音飛びが発生することがある。電車の中では特に音飛びを感じたことはない。
左側のイヤホンだけ音が出なくなることがまれにある。一旦止めたり、別のアクションをしたりしていると元に戻る。最初は充電切れかと思ったが、そうでもない模様。
音量が全体的に控えめ。音楽を流すだけなら十分だが、街中を歩いていて英語のリスニングやニュースを聞くといった使い方をする場合に、音量を最大にしても聞き取りづらいケースがあった。最大音量をもっと上げられるようにしてほしい。

電源・充電

3回充電できるケースは満足。ケース自体は軽いし、さほど場所を取らない。
端末側に電源ON/OFFという概念がなく、ケースに入れたらオフになるとのことなので、外出時は原則としてケースも常に携帯する必要がある。

装着感など

装着に慣れるまでに2,3日かかったものの、慣れれば問題ない。長時間装着していても疲れはほとんど感じない。ほぼ1日中装着していても問題なかった。耳たぶの下側に装着するので、購入前は使用中に取れないか心配したけれど、その心配は杞憂だった。多少激しく動いても取れないし、意外な安定感がある。

結論

総じて好印象で、AIへの音声指示を使わないとしても、Blutoothイヤホンとしてだけでも買う価値があります。満足。

第50回記念青梅マラソン出場

第50回記念青梅マラソン、なんとか完走しました。
初めての30キロ走。20キロやハーフマラソンはこれまでに何度も走っているので、30キロもペースを少し落とせばそれほどきつくはないのではと思っていたものの、完全に甘かった。マラソンはよく自分との戦いと言われているけれど、今回の戦いは完全に敗北。戦いはレースの数か月前から始まっていて、スタート地点に着いた時にはほぼ決している。マラソンは実力以上のものが本番で出ることはないし、日々の積み重ねこそが大事。
マラソンを走るには、自動車に例えて3つの要素が必要と言われている。エンジン、ガソリン、車体。人間でいうと、心肺能力、エネルギー(食事)、肉体(ボディ)。今回、心肺とエネルギーは足りていたけれど、身体の備えが不足していた。終盤、ラスト5キロを切ったあたりで完全に足が止まってしまい、1キロごとの表示が永遠かのように感じられた。これは、膝や脚の強度不足によるもの。30キロを走り切るだけのトレーニングが足りていなかった。

青梅マラソンのコースは、ざっくりいうと前半が概ね上り坂、折り返し以降の後半が下り坂。ただ、前半の途中にも下り坂があり、それは即ち後半の途中にも上り坂があるということ。レース前半は自分の身体と相談しながら、無理なく自分のペースを維持できた。後半も20キロ過ぎまで、つまりハーフマラソンの距離まではまずまず行けた。ただ、残りの距離は自分にとって未知の領域ということもあり、未体験ゾーンに突入していくことに、身体が全く追いついていなかった。後半にやってくる上り坂は本当に厳しかった。日々の走り込みをもっと真面目にやらねば、30キロは走り切れない。

折り返して激走してくる川内選手やその他のトップ選手を見られたのはよかったです。Qちゃんこと高橋尚子さんとのハイタッチもうれしかった。
また、沿道に私設エイドを設置してくれている方が多数いて驚いた。チョコや飴、パンなどを頂きつつ走ることができて、元気をもらえた。コーラを配っている人もいた。後半の一番苦しい上り坂でロッキーのテーマを流している人とか。ひとつの大きなお祭りとして、地域に根差した大会となっているのがよかった。
きちんとトレーニングを積んでまた参加したい。

 

過酷な大雨(タートルマラソン)

f:id:Roots:20131112164443j:plain

荒川河川敷を走る「第42回タートルマラソン国際大会」(ハーフマラソン)に出場してきました。今回のレースは、一言でいうならば「過酷」。

前夜から降り始めた雨はレース前もレース中も、そしてレース後もひたすら降り続いていました。本当にこの雨の中走るのか…?と自問自答しながら、会場に着いてしまえばもう走らないという選択はなく。レース中よりレース前後がより過酷。雨によるぬかるみで地面はドロドロ。足首まで浸かるほどの水たまりも多数。更衣室として用意されたテントは風雨こそ防げるものの、テント内はやっぱりドロドロで、荷物置きにできるようなテーブルすらない状態。荷物は一体どこに置いて着替えればいいの…?

さらに、「手荷物預かり」とは名ばかりで、大渋滞の後にようやく手に入れたビニール袋へ荷物を入れたら、その大事な荷物は雨ざらしの地面に置きっぱなしにされるという恐ろしい状況。ビニール袋に入っているとはいえ、ブルーシートがあるでもなく、泥の地面に直置き。重い荷物を持って走るわけにはいかないし、他に選択の余地はなくどうしようもない。

スタート前にトイレに行っておきたい…と思ったが長蛇の列。数分並んでみたものの、スタート5分前にして目の前に50人くらい並んでいる状況だったのであきらめる。河川敷では屋根になるところもなく、ウォーミングアップすら満足にできないままスタート。

今回とった雨対策は、手袋をはめる、ポンチョを被る、くらいか。ポンチョは100円ショップで購入したもの。折り返し地点を過ぎたところで暑くなって脱ぎ捨てた。しかし雨は止まず。

ワセリンは持っていったけれど、スタート前は荷物を置く場所もなくゆっくり塗っていられる状況ではなかったので、塗るのをあきらめた。

 

こんな最悪なコンディションでありながら、レース自体はかなり冷静に自分のフォームをチェックしながら進めることができた。公式記録はまだ出ていないものの、手元の時計では2週間前の初レースから約7分短縮し、1時間55分程度で走れました。これは自分への挑戦という意味ではよかった。前回のレースと同様の展開で、前半より後半により速いペースで走れている。これはよいこと。

しかし雨の河川敷はもう二度と走らないと固く誓うレースでもあった。レースそのものより、前後の泥んこ状態がたまらんです。

 

この大雨の中、スタッフの皆さんは献身的に対応して下さいました。また、橋の下でブラスバンドが「ランナー」を延々と演奏し続けていた。これは勇気を頂きました。復路では演奏がかなりヘロヘロになっていたけれど、それだけ演奏し続けてくれているということ。ありがたかった。

雨予報

ハーフマラソンから2週間後、明日は二度目のハーフマラソン

今週は足を痛めたり風邪を引いたりと調整がいまいちだったものの、直前期の驚異的な回復力で調子が戻ってきました。体調はほぼ万全。しかし一番の不安要素は当日の雨予報。降水確率70%なので、雨はほぼ間違いない。イヤァァァアア!

雨合羽は持っているけれど、なるべくなら使いたくない。通気性がよくないし、走りにくくてフォームも崩れそう。

とにかく自分にできることをやろう。